視覚障害の方専門のグループホームの視察に行きました。

12月3日、全国でも数少ない視覚障害の方に特化した障害者グループホームの視察に行ってきました。運営している株式会社oneselfさんは視覚障害の方専門の就労継続支援B型も運営しており、そちらも訪問させていただきました。

oneselfさんでは定員6名の一軒家タイプのGHを2棟、定員4名のワンルームタイプのGHを1棟運営しています。
今回訪問したのは一軒家タイプのease。
意外だったのは車通りの少なくない道路沿いに位置していたことです。

歩道は拡張された様子があり、電柱が中央を通っている部分もあります。

代表の飯田さんは「駅まで歩道が繋がっていて自身で歩いていくことができる場所、というテーマでここにしました。また、作業所など活動先からの往復の歩行を、一人暮らしのための練習として活用することも想定しています」と話されていました。
安全のために、入居したらまず何度も歩行訓練を行なうそうです。

室内は弱視の方が環境を把握しやすいよう、壁・天井・床は白、扉・机は茶色、とコントラストを大切にしています。

廊下は壁に手を添えられるようにあえてやや狭くなっています。

居室は明るさを取り入れやすいよう全ての居室が窓が2つになっています。こちらも弱視の方の支援に繋がっています。

ボタン式の電子レンジ、形状から状況を把握しやすくするためにあえてIHクッキングヒーターではなくガステーブル、音声認識で情報を伝えるIT機器…将来の1人暮らしを見据え「なるべく自分で行える」環境づくりを大切にされていると感じました。

視覚障害の方がグループホームで暮らす場合、視覚障害の方ならではの配慮点があるとのことです。

1つ目は物の配置。視覚で確認することができないため、物は定位置にあることが基本です。同居者が私物に触れない環境はもちろん、共有の物品も定位置に戻してもらう配慮が必要です。

2つ目は生活音。視覚の利用が難しいため外部からの情報を聴覚から取り入れることが多いため、音に敏感であることも少なくありません。夜間の他者の部屋からのテレビの音や話し声に対して工夫が必要となります。

3つ目に「支援を先回りしない」、これが最も重要とのことです。先天的に視覚障害がある方ばかりではありません。障害福祉サービスを受けることを窮屈に感じ、これまで通り自分のことを自分で決めて生活したいという当たり前の気持ちを持っています。そのため支援者は「その人のペースに合わせスポット的にそっと支える」という姿勢が大切と、飯田さんは話されていました。

視覚障害は、「生涯で20人に1人は緑内障になる」といわれるほど身近な障害です。現在は全国で10事業所ほどしかない視覚障害の方専門のグループホーム、今後の拡充が求められています。

株式会社oneself
【WEB 】https://oneself.life